CFO Forum No.173 に寄稿しました。

企業の競争力を引き上げるCFOの新たな役割㊿
戦略対話を駆使した経営を目指し、エンゲージメントを上げて自律型の人材を輩出する仕組み作りが競争力の源泉になる

<概要>

戦略的対話の重要性
21世紀は対話の時代。組織の健全性や競争力の源泉は、表層的な情報共有ではなく、戦略的な対話の質にかかっている。対話を通じて個人の内省(リフレクション)を促し、自律的に考え、行動できる人材を育てることが不可欠。

対話による自律型人材の育成
過去の延長線にある仕事のやり方では、変化の激しい現代に対応できない。上からの指示待ちではなく、社員一人ひとりが主体的に課題を発見し、解決する力を持つことが求められる。その基盤となるのが、傾聴と内省を促す対話である。

カルチャーとしての問いの力
Yes/Noで答えられない本質的な問いを投げかけ、社員の思考を深める習慣を組織カルチャーとして根付かせることが、組織力向上のカギ。曖昧な指示や過剰なハウツー依存から脱却し、社員の思考力と創造力を引き出す経営へと転換する必要がある。

全員参加型経営への転換
特定の優秀な人材だけに依存する経営モデルは限界。全社員の力を引き出し、期待するレベルへと引き上げるスクラム型の経営が求められている。そのためには、組織全体が「自ら考え、行動する」人材育成を戦略の中核に据えるべき。

CFOの新たな役割
これからのCFOは、数字を管理するだけでなく、人材の成長を企業戦略の中心に据え、未来に向けた「フィードフォワード経営」の実践をリードする役割を担う。組織変革の推進役として、経営の質そのものを引き上げる責任が求められる。